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表彰・受賞

Award

トヨタ自動車2023年度
仕入先表彰「技術開発賞」受賞

トヨタシステムズは、最新技術によりトヨタの商品力向上に大きな成果を上げた企業に対し贈られる2023年度「技術開発賞」を受賞し、その中でも貢献度の高い取り組みに送られる最優秀賞を受賞しました。

市場車両の錆分析技術による
防錆品質向上

安心・安全に関わる錆問題に対応するため、市場データの収集活用に取り組みました。中古車のビッグデータを活用し、錆の予兆検知や総合的に品質評価する技術を開発しました。

開発担当者インタビュー

生産デジタル開発部 塗装・防錆G
GM 川村 亮平

チームの概略と職務内容を教えてください

当チームの目的は、車両防錆分野のデジタル化を推進し、錆に強いクルマを作ることです。
具体的には、市場中古車の床裏データを収集し、そのデータから錆の予兆を分析します。
このプロジェクトでは、企画から市場分析、技術研究開発、データベース設計、UI設計、システム開発、そしてシステムの提供・運用に至るまでの全工程を担当しています。

車両の錆でどのような問題が
起こるのでしょうか?

一番はお客様の安全性の問題です。
錆は金属を腐食させ、車両のフレーム、パーツが弱くなります。その結果、強度が低下し安全性が脅かされ、事故等での危険度が増してしまいます。
また、錆が進行すると穴が開きやすくなり、それによって危険な液体の漏れが発生するなどのリスクが高まります。他にも変色を引き起こし外観が悪くなるという問題もあります。

錆の予兆をつかむため、
どのような苦労があり改善したのでしょうか?

匠の錆評価を形式知化するのが一番苦労しました。
まず錆診断にむけて何度も実験室へ足を運び、錆の3D計測結果と2D画像の解析を行いました。その結果、今までは表面から見えなかった錆の深さを画像から推定できるようになりました。
さらに評価視点では中古車オークション会場の視察や、トヨタにおける実車評価試験に立ち合い、重要部品の位置・構造からどのように錆が発生しているかを現地現物で学ぶことで、機械学習モデルにノウハウを組み込みました。

錆の評価はどのようにして行うのでしょうか?

従来は錆のプロによる目視評価でした。
ひとつひとつ目視で錆を評価していくため、長い年月とノウハウが必要です。さらに車両の床裏錆については、重要部品の錆具合だけではなく、その部品の構造から補修有無、地域、使われ方などの複数因子を考慮する必要があります。
今回、我々の技術を用いて誰でもプロの目で錆の評価ができるようになった点が大きな進歩だと考えています。

トヨタ自動車からの反響はどうでしたか?

トヨタ自動車の役員の方々をはじめ、各領域の方からも「使える技術だ!」と言っていただけました。
床裏防錆を起点として始めた技術開発でしたが、錆以外の部品劣化やお客様への補修提案などにも活用できることから、ボデー・シャシー設計へのフィードバックやバリューチェーンへと活用範囲を拡大したいとコメントいただきました。

記事を読んでいる方へ
メッセージをお願いします

この記事を読んでいただいたみなさんに伝えたいのは、IT技術の革新が車の商品力に大きく影響を与えるということです。特に、車両の耐久性と安全性を向上させるための防錆技術は、事故のリスクを減らし、クルマの長寿命化を図ることができます。これからもより安全で信頼性の高いクルマ作りに貢献してゆくため、技術革新に挑戦し続けます。

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