人とクルマのよりよい未来へ。
リチウムイオン電池の
性能向上を支える。
環境や資源の問題解消へ、期待を集める電気自動車。しかし、航続距離や充電時間などの課題を抱えており、より高性能なリチウムイオン電池の開発が求められています。そこでの開発費用低減と期間短縮のためにシミュレーションが活用されています。
電池の形状や材料の組合わせをソフト上で検証し、安全性や性能など、事前に課題を潰しこんだ上で、実物による検証に進みます。私たちは常にエンジニアの傍らで仕事に寄り添っているので、よりよいソフトへと改良をつづけることができます。
世界的な需要が高まりつづけるなかで高性能の電気自動車が求められています。そして、その実現に不可欠な全固体電池の開発にも、私たちのCAE技術は重要な役割を担っています。
クリエイティブなCGで、
トヨタグループの未来を切り拓く。
映像などのコンテンツやモノづくりの世界で、これまで以上にCGの活用が進んでいます。私たちはクルマのCG制作を通して、高精細画像、動画、VR、AR、コンフィグレーターなどのコンテンツを美しく、正確につくる技術を培ってきました。
これからは、その技術をさまざまな分野に応用し、自動車産業はもちろん、エンターテインメントや人と人のコミュニケーションといった幅広い領域で今までにないユーザー体験を提供していきます。
未来に向けて、私たちの可能性は無限大です。
さらなる生産性向上へ。
MRを活用した次世代のモノづくり。
MRとはMixed Reality(複合現実)の略で、現実世界と仮想世界を重ね合わせる技術です。自動車開発ではさまざまなデジタル技術が用いられていますが、トヨタシステムズは生産技術にMRを適用させて開発期間の短縮、コスト削減に寄与しています。
設備検討では実際の生産ライン上に新しい設備や開発車両のデジタルデータを重ね合わせて、設置性や作業性などを確認しています。そのままバーチャル空間で組付け作業を体験できるので、姿勢に負担が無いかどうかもその場で判断できます。細かい作業においても、これまで図面と照らし合わせていたものが、デジタルデータを重ね合わせることでミスを減らし、スピーディーに進めることができます。
データと実物いずれかのみでは難しい判断も、このようにMRがそれらをつなぐことで解決し、新たな時代のモノづくりを牽引していきます。
新たな開発方式を構築する、
トヨタ式アジャイル開発への挑戦。
変化のスピードの速い現代では、開発方式も変化を求められています。これまでは『トヨタシステム開発マネジメント』という本に沿って開発を行ってきました。しかし、より変化に強く、実用性の高いシステムにするため、トヨタ自動車で初めてアジャイルという方式での大規模システム開発に挑戦しました。
従来は設計書をつくり、試作、テストと2、3年かけてつくりますが、その間に世の中に変化が起き、完成したころには既に要件が変わっていることもありました。しかしアジャイルでは設計書をつくらず、とにかくつくります。その分、変化を要件に組込むことが可能です。
仕様書もコードに含まれ、コードさえ書かないローコードツールを使用します。スピード感を重視するために、5、6人のチームにはトヨタ自動車の方も一員として参加。決裁者も常駐することで、その場での即決が可能です。チームごとの議論が活発に行われ、専用ルームの壁はポストイットに埋め尽くされています。
アジャイルの主要な開発方法であるスクラムは、実はトヨタウェイ・トヨタ生産方式が源流です。この取組みは決してトヨタ自動車の過去を否定するものではなく、実績を踏まえた「いいとこどり」であると考えています。課題に直面しても、自分たちができないはずがないと挑戦しつづけました。そして、トヨタ流アジャイルをブラッシュアップし、新たな開発方式として明文化してグループに広げていきます。
ビッグデータから
バッテリー上がりをAIで予測し、
事故を未然に防ぐ。
あらゆる分野で活用されるビッグデータ。クルマがネットワークにつながるようになり、トヨタシステムズでもデータ解析によるユーザーの利便性向上に取組んでいます。
トヨタ自動車のデータセンターには、毎日膨大な量の走行データが集まります。そのデータを加工、解析してAIに学習させることで、バッテリー上がりを事前にディーラーへと通知するシステムを開発しました。
テスト用のデータをどのように扱えば、やりたいことを実現できるのかを考え、計算式を立て、数千を超える変数を調整し、AIを構築。AIも使い方次第でその有効性に大きな差が出ます。
私たちは、現場でエンジニアと突き合わせて議論を重ねながら性能の向上に取組んでいます。今後もデータは増えつづけるため、車種ごとのさらに正確な通知など、より安全なクルマ社会を実現します。