
CADデータを取り込むだけで、バーチャル空間でさまざまな評価や検討が可能に。
ゲームエンジンを用いたバーチャル空間の活用支援を行っています。CADデータを取り込んでVRヘッドセットを着けるだけで、ワイヤーハーネス試作時の長さの検討や、意匠のデザインレビュー、設備のレイアウト検討、組み立てのトレーニングなどが可能になります。これまでは一箇所に人や物が集まって会議・レビューを行っていたものを、それぞれの場所からバーチャル空間に入って完結することができます。
大容量データを扱うゲームエンジンなら、工場全体を再現することができる。
ゲームのための開発環境であるゲームエンジンは、重力の表現やリアルタイムのインタラクション性に優れており、近年では産業分野でも使用され始めています。大容量のデータを扱うことができるので、バーチャル空間内に工場全体を再現することも可能です。どうしてもVRだとゲームというイメージがあるので、実際の活用シーンを理解してもらうために、体験している動画を制作したり、業務に沿ったデモコンテンツの体験会を開催して、有用性を伝えていきました。ゲームエンジンを扱うにはプログラミング技術が必要なので、お客様自身で使えるように支援を行っていますが、将来的には誰でも直感的に使えることを目指しています。
移動もムダな製作も減らして、早く、安いクルマづくりの実現へ。
バーチャル空間に人が集まれるので、人やモノの移動を減少させることができます。それによって、製作の前に評価を行えるので、手戻りやムダなモノづくりも減っていきます。工場設備のレイアウト検討や、実車サイズでの比較など、これまでできなかったこともCADを取り込むだけで可能です。将来的には設計者の方がVRをひとり一台デスクに持っていて、すぐにデータを確認できるようになればと思います。また、トヨタ自動車(株)のセキュリティ基準ではVRを使える環境が限られているので、早く、安く、品質の良い精神を届けられるように、インフラ部隊を巻き込んで、お客様にご提案していきたいです。
※掲載内容はSDGs TS report 2023作成時の情報です