
複雑な試作車の依頼と運用を、最適化するためのシステムを開発。
自動車が市場に出回るまでには、100台以上の試作車がつくられています。すべて同じものではなく、世界各国の法律や条例に
合わせた仕様にする必要があります。ひとつずつが特注のようなものなので、コストもかかります。さらに、自動車の性能を確認する担当者が、仕様を十分に把握できていないために、過剰なスペックや誤ったスペックで試作車を依頼するケースがありました。これらを解決するために、試作車の依頼と運用を最適化するためのシステムを開発しました。
過剰なスペックや誤ったスペックが発生しないインターフェース。
トヨタ自動車(株)では、自動車の性能や認証基準ごとに確認する担当者おり、それぞれが試作車に必要なスペックを要望する
流れになっています。その中で過剰なスペックや誤ったスペックでの要望が発生してしまうため、そういった無駄が発生しない
ようなインターフェースを実装しました。開発はアジャイルならではの苦労もありましたが、ユーザーを巻き込みながら、開発
スタートから半年後にリリースすることができました。
システム連携によって、試験業務のプロセス改革につなげたい。
システムを導入することで、短期的には試作車の台数を削減できます。鉄などの材料や半導体などの部品の価格が高騰しているため、コスト面でも貢献できます。まだリリースしたばかりなので、これからさまざまな車種の開発現場での活用が見込まれます。また、このシステムの可能性は、さらに広げられると考えています。他のシステムと連携することで前後の工程と紐づけ、試験業務のプロセス改革にもつなげたいです。
※掲載内容はSDGs TS report 2023作成時の情報です