
工場DXは現場の様々な''情報"を電子化するところからスタート。
「どの部品をいつ誰がどれだけ作ったか?」「不良品が何個あったか?」「設備の停止時間やその理由対応は?」など、製造現場にはさまざまな"情報"を記録する帳票が存在します。現場では毎日何種類もの帳票を記入・集計し、生産計画の立案・見直しや改善に利用しています。何十枚もの紙帳票を集計し、エクセルでグラフ化したり、他システムヘ転記入力するのはとても大変な作業です。それらの現場の困り事をなくそうとの取り組みがトヨタ自動車(株)衣浦工場で始まり、私たちもその支援をすることになりました。
ものづくりを"現地現物''で理解し、ユーザに喜んでもらえる帳票電子化を。
帳票電子化は従来の紙帳票の書式のまま電子化すれば良い訳ではありません。入力のしやすさ・見やすさを考慮し、ユーザーが喜んで使いつづけてもらう仕組みにしなければなりません。そのために工場に常駐し、実際の利用シーンを確認したりユーザーと会話を重ねながら支援活動をしています。また、ユーザー自身にも電子化する項目の吟味や、設備から直にデータが取得できないかなどの検討をしていただいています。電子化された帳票の改修は現場の方々が自ら実施されています。困りごとや相談ごとがあれば、常駐メンバーに気軽に声を掛けていただける良い関係が構築できていると思います。
見える化でPDCAサイクルを素早く回す。
帳票電子化にはペーパーレス以外にもさまざまなメリットがあります。入力されたデータはほぼリアルタイムで"見える化"されるので、すぐに振り返りや対策を行う事ができます。工場は昼勤と夜勤の交代勤務である職場が多く、直前の勤務シフト内の情報を共有することはとても重要です。また、設備の電力消費量やCO2排出量も簡単に見える化できるようになり、エネルギー削減に向けたPDCAサイクルを素早く回すことができるようになりました。帳票電子化により捻出した時間は、さまざまな改善や人財育成といった"付加価値のある作業"に充てています。
※掲載内容はSDGs TS report 2022作成時の情報です