
ソフトウェアライセンスを集約し、グループでの共同利用を推進。
シミュレーション用のハードウェアとソフトウェアライセンスを集約し、トヨタグループ全体としての費用低減を図る取り組みをしています。
トヨタ自動車(株)からの分社化にともない、各社でシミュレーション環境を用意する必要が生じましたが、個別にハードウェア・ソフトウェアを導入すると初期費用・固定費が高くなってしまいます。そこで、トヨタシステムズが中心となってライセンスの集約を行うことで、最終的にはコストを抑えながら、各社が衝突解析や空力解析などのシミュレーションが利用可能になりました。実現させるためには、トヨタグループ各社とベンダーがお互いに得のある枠組みをつくる必要があったため、その調整にとても苦労しました。この取り組みによってシミュレーション環境を各社が使いやすくなり、効率的な開発が可能になることで、自動車の安全性や燃費性を高められ、交通事故の防止や環境負荷の低減に貢献できると思います。
自動車をつくるにあたってさまざまな性能を考慮する必要があるため、現在サービス化をしたもの以外にも疲労強度や電磁場の解析など利用できるソフトウェアラインナップを拡充できるように、ユーザー側にニーズを確認するとともに、ソフトウェアによって開発会社が違うので個別に条件を調整しはじめているところです。また、中国やヨーロッパなど海外の事業体への提供も考えており、そちらの準備も進めています。シミュレーションで開発のスピードを上げられたり、コストの削減に貢献できるので、今後も各社の要望を聞いて改善活動を行い、サービスを提案していきます。
※掲載内容はSDGs TS report 2021作成時の情報です