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事例紹介

Case Study

製造現場の職制業務の効率化を図る
アプリケーション「班長ナビ」を開発。
デジタル活用の定着化、そしてその先へ。

株式会社アイシン

  • アプリ開発
  • 開発環境
  • ローコード開発
  • 従業員10,000名〜
社名
株式会社アイシン
所在地
愛知県刈谷市朝日町二丁目1番地
URL
https://www.aisin.com/jp/
業種
自動車部品、エネルギー・住生活関連製品の製造販売
従業員規模
単独 35,610人 連結 116,649人

お客様の課題

製造現場での職制業務は、巡回やデータ記録、入力・転記などの単純作業に時間を費やしていたが、デジタル活用を進めて単純作業を減らし、リソースの有効活用を図りたい。こうした作業はアナログが主だった工場で活用してもらうためには、現場に寄り添った直感的なUIが必要。

開発のねらい

現場の声を反映しながら、柔軟かつスピーディに開発するため、ローコード開発プラットフォーム「OutSystems」を活用したアジャイル式開発で「班長ナビ」アプリを開発。まず2工場で導入してブラッシュアップしたのち、国内全工場へ展開。その後は海外拠点含むアイシングループ全体への展開を目指す。

インタビュームービー

導入経緯

株式会社アイシン DX推進部
DXソリューション3室 室長
山本 篤史様

現場にとって本当に使いやすいものを求めて、
アジャイル方式で
アプリ開発をスタートしました

班長など職制の業務効率化の構想は以前からありましたが、工場間の連絡デバイスがPHSからスマホに切り替わるタイミングで、スマホで操作を完結できるアプリケーションの企画が本格的にスタートしました。開発に多少時間をかけてでも、工場で使いやすいものを開発したいと考え、現場からのフィードバックを反映しながら開発を進めるアジャイル方式での開発としました。

将来的に全工場で使えるアプリにするために、機能を疎結合することは重要なポイントのひとつでした。いくつかの機能を分割したものをマイクロサービス化して紐付けるような感覚で、迅速なシステムの改善や変更、柔軟な連携を可能にする開発を求めていたことも確かです。トヨタシステムズさんには、そのあたりもしっかりと理解していただけて、現場に寄り添いつつも未来の展開を見据えた開発を心掛けてくださったように感じます。開発が動き始めてからも弊社のDX推進部とひとつのチームとして、同じゴールを目指してくれている安心感がありました。

現場の声

写真左から
株式会社アイシン 田原工場
製造技術室 ベスト標準策定グループ
富田 麻人様
第2加工製造室
技能育成・刃具改善課 主任
前田 聡様
第2加工製造室
Tアルミ・LAリング加工課 第1係
職長 石田 紘基様
班長 後藤 直樹様

工場に張りついて、課題をリアルに体験。
現場への深い理解から、スピーディかつ
的確な開発が進みました

今回の開発にあたり、トヨタシステムズの門田さん達が丸3日間、現場で班長に張り付いて、業務内容をリアルに体験してくださいました。異常発生時、詰所や事務所まで往復20分ほどかけて移動して「異常お知らせ板」に処置結果を書いたりする業務も、その距離を一緒に歩きました。現場の苦労を体験しながら、どこに効率化や改善の余地があるのかを肌で感じてもらえたことが、その後の開発をより加速させたように思います。

現場を理解してもらえたことで、ちょっとしたことも気軽に相談できるようになり、解決も速く、あうんの呼吸で開発が進んでいきました。逆に現場社員では気づけなかった箇所にも目を向けてくださり、トヨタシステムズさん側からも良い提案をいただけました。どんな要望・相談も真摯に受け止め、常に寄り添って、素速く対応してくれるので、スピーディーに開発が進んでいったと思います。また、導入のサポートや説明会なども手厚くしてもらえたので、安心感や心強さもありました。

写真左から
株式会社アイシン 製造技術室
DX推進グループ 主幹
末崎 孝一様
株式会社アイシン 半田電子工場
製造室 コンピュータ1課
第3係 第1職場 職長
田中 悠紀様

心強い“ワンチーム”による開発。
現場には、デジタル活用の風土が少しずつ
定着しています

開発期間中は、弊社のDX推進部の社員とトヨタシステムズさんの開発支援メンバーによるチームと我々で、定例ミーティングを重ねました。開発スピードは想像より速く、曖昧に伝えた要望でも予想を超えた状態で改善されることが多かったので、話し合いを重ねるたびに、より良いものに磨かれていく実感がありました。

知見のない私たちはおそらくレベルの低い意見も、見当違いの要望もしたと思いますが、いつも親身になって改善策を考えてくださったので、とても発言しやすかったです。会社の枠を飛び越え、同じゴールを目指す“ワンチーム”として、共にものづくりをしている感覚がありました。

「班長ナビ」導入後は、記入・転記時間や移動時間の削減、作業の効率化を図ることができ、その分現場を見る時間や改善に充てられる時間が増えました。メリットを感じている社員も多く、単なる業務改善の側面だけではなく、確実にデジタル活用の風土が定着してきているように感じています。

今後の展開・展望

写真左から
株式会社アイシン DX推進部
DXソリューション3室
SCM第2グループ 主任
木村 泰久様
鈴木 精一様

共に悩み、考え、
汗をかいてくれるパートナー。
理由や本質を探り出してもらえたことが、
スムーズな解決へ繋がりました

「班長ナビ」は、最終的には全工場での導入を目指して、まずは2つの工場で先駆けて試験導入を開始し、現場からの声を反映しながらアジャイル方式で開発を進めてきました。

現場の声をしっかり汲み取り、使い勝手の良いものに磨き上げたい気持ちの傍ら、要望を受け入れすぎることで部分最適化が進んでは本末転倒だという葛藤もありました。その絶妙な力加減に迷うことも度々ありましたが、トヨタシステムズさんも同じゴールを目指して一緒に悩み、考え、現場に入り込んでコミュニケーションを取りながら開発を進めてくださいました。その上で、現場の声をとことん聞き、理由や本質を探り出して解決策を導いてくれるので大変心強く、パートナーとして、共に良いものづくりができたと感じています。

今後は、現場で蓄積されたデジタルデータをベースに、社内の様々なデータやAIなどの最新技術を活用する、デジタル定着化の“次のステップ”へ進みたいと考えています。

現場、そしてトヨタシステムズさんとワンチームで創る新たなものづくりの景色がどうなっていくか、とてもワクワクしています。その期待感をチームのエンジンにして、まだ見ぬ未来へ進んでいけたら、とても嬉しいです。

担当メッセージ

株式会社トヨタシステムズ
エンジニアリングチェーン
マネジメント改革部
生技システムG
門田 直己

3日間、工場に密着したことで、現場をより深く理解することができ、その経験を開発支援に活かすことができました

今回はOutSystemsを活用したアジャイル式開発でしたが、これを成功させるためには、現場でしっかりとトライしていただくこと、次に繋がるフィードバックをいただくことが必要不可欠です。現場の声にとことん耳を傾けながら、かつ全工場で展開できるものを意識して、開発支援を進めてまいりました。

今後も、アイシン様の製造現場のデジタル改革の一助を担うような支援ができるよう、邁進していきます。

株式会社トヨタシステムズ
アカウントビジネス部
推進G
荒木 仁
(株式会社アイシン
DXマネジメント部
DX企画統括室 常駐支援)

現在私はアイシン様のDX企画統括室に常駐するかたちで、班長ナビの展開活動をはじめ、さまざまなDX推進に携わらせていただいています。

トヨタシステムズはアプリ開発だけではなく、インフラであるネットワーク部隊やデータ分析部隊など、幅広い領域で複合的な支援ができることが強みのひとつです。

ものづくりの現場を支える班長ナビの“ありたい姿”とは何か、そのために今取り組むべきことは何かを常に念頭におきながら、最適な工場ネットワークやAI活用など、アイシン様と弊社のそれぞれの部署をつなぎながら更なるDX推進を支援していきたいと思います。

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