データ起点で考えるシステムのスリム化「データ駆動型カイゼン」。
過剰なムダを無くし、固定費を抑制し変化に対応し易くします。
トヨタ自動車株式会社
- DX
- システム開発
- 従業員10,000名〜
- 社名
- トヨタ自動車株式会社
- 所在地
- 愛知県豊田市トヨタ町1番地
- URL
- https://global.toyota/jp/
- 業種
- 自動車の生産・販売
- 従業員規模
- 70,000人以上
お客様の課題
システムの改修、老朽更新を実施した際、従来は機能起点でシステムのスリム化を考える。だが、機能起点は「過去の履歴が見えない」など、削除してからデータ起因トラブルを生みやすい。そのためスリム化に躊躇してしまい「過剰なムダ」が削減できずにいた。
これにより改修時の費用と作業期間、システム維持の固定費が増加していた。
実施の効果
システムにおける過剰なムダを、データ起点で考えるデータ駆動型カイゼン。システム特性でも違いが生まれるが、598個の検討課題を見つけ、約45%のシステムのスリム化に成功した。
約4割の削減によるシステム固定費の抑制、今後のシステム改修においても大幅な効率化が見込める。
インタビュームービー
考案の背景
データ起点でアプローチするという
システム改修では稀有な手法を考案
従来のスリム化は、「使わない機能は削除/廃止」、「重複機能は統合する」など、機能起点で考えていました。
私たちが考えたデータ駆動型カイゼンは、お客様のシステム作業証跡のデータを起点に考えて、スリム化を図ります。データモデリングでデータ構造に無駄がないか、データプロファイリングではお客様の作業証跡であるデータを元に無駄がないかをチェックします。
データ品質の手法を、基幹システムのスリム化に用いることは、私が知る限り前例がありませんでした。しかし、お客様の作業証跡であるデータをベースにした根拠のあるシステムのスリム化がこの手法の強みです。そして私たちは、基幹システムのスリム化において、実際に提案から導入まで説得力を持った実装を行うことができました。
導入までの流れ
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2018年
データ駆動型カイゼンでのシステムのスリム化を着想
データプロファイリングなどを参考に
実現可能か試行錯誤 -
2019年1月~4月
プロセスを作成し、スリム化による効果を検討
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2019年5月~11月
現データのモデリングとプロファイリング、
新データのモデリングを実施 -
2019年12月~
598の検討課題が浮かび、約45%のスリム化を達成
プロジェクトは現在も進行中
今後の展望
データ駆動型カイゼンの考えを
社内外で定着化させたい
今回のプロジェクトでは、合計598個の検討課題を見つけ、約45%のシステムのスリム化に成功しました。
データ駆動型カイゼンは、従来にない着想で行ったデータ起点での考え方。現在のシステムを新しいものへ移行するときに、よりスリムな状態で移行することが狙いです。その結果、維持費用を抑えられ、変化に対応し易くなります。
たとえば、お客様の作業証跡であるデータの偏りから、あまり使用されていない機能を浮き彫りにし、簡素な代替機能を提案することができます。
現在は社内でデータ駆動型カイゼンの考えを定着化させることを目標にしています。「自社でも使いたい」とお問い合わせしてくださった社外の方には、導入に至る背景を説明に伺うこともあります。社内外問わず、考えに共感してくれる仲間を増やしていくことで、もっと活用の可能性を広げていきたいです。
お客様の声
【トヨタ自動車株式会社様】データ駆動型カイゼンの強みは柔軟性
ユーザーとして大きな期待を寄せています
トヨタ自動車株式会社
情報システム本部 DX業改推進部 部長
稲垣 篤様
老朽化した基幹システムなどのIT資産を現在のニーズに合致した設計へと置きかえることは、DXを通じた業務改善における重要課題です。最新のものへそのまま移行するのではなく、いかにシステムにおけるムダを削減してスリム化できるかが求められます。使われていない画面・機能を削るのは当たり前の作業に思いますが、将来の作業に影響が及ぶことを考慮して過剰なシステムにしてしまうものです。
その点「データ駆動型カイゼン」では、過去5年分の使用履歴データと私たちが考える業務の将来像をトヨタシステムズ様と一緒に擦り合わせます。これにより、柔軟性を持って「残す・残さない」の判断ができます。同社は実務面でも実直・誠実な姿勢でスリム化にあたってくれるので、全幅の信頼を寄せています。