トヨタ自動車2021年度
仕入先表彰「技術開発賞」受賞
トヨタシステムズは最新技術によりトヨタの商品力向上に大きな成果を上げた企業に対し贈られる2021年度「技術開発賞」を受賞し、その中でも貢献度の高い取り組みに送られるMVPを受賞しました。
塗装品質予測による色評価LT短縮
外板塗装は材料・工法・環境など因子が複雑なため品質予測が難しく、実物塗装での評価が必要となり時間を要します。今回はその塗装評価をデジタル評価に置き換えることで、期間を短縮、質・量を向上する技術開発に挑戦しました。
開発担当者インタビュー
開発に至った経緯について教えてください。
自動車の外板塗装は色だけでなく、塗料、塗装の塗膜、塗り方、塗装ブースの温湿度などさまざまな因子が複雑に絡んでおり、まさに熟練者の世界です。そのような熟練者の知恵をデジタル技術によってモデル化し、実物評価をする前にデジタルで創り込むことによって、いい色を早く良い品質でクルマを購入するお客様へ届けたい、という考えからこの活動が始まりました。
この開発による効果はどれくらいありましたか。
今回塗装の品質推定をする技術の開発により、実物塗装による品質評価をデジタル上で予め確認、創り込みをすることによって評価期間の短縮に貢献することができました。IoT等によるデータの活用によって産業の持続的成長に向けた技術革新であったり、デジタル評価によって塗装の評価を減らすことでCO2削減にもつながり、SDGsにも寄与していると思っています。
開発にあたり苦労した点を教えてください。
活動当初は予測精度も悪く、活動を続けるべきか悩んだこともありました。しかし、塗装の最前線にいる設計者や生産技術者と共に、熟練者のカンコツをモデルに組み込んでは評価を繰り返すことで、3年かけて予測精度もあげることができました。IT技術者と塗装の技術者が一緒に取り組んだからこそ実現できた技術だと思っています。
今後の目標・ビジョンを教えてください。
私の想いは、デジタル技術によってモノづくりのプロセスや働き方を変えていきたいということです。設計・生技・製造のみなさまに寄り添いながら、塗装だけでなく工場やショップ全体を支えるデジタル技術の開発や活用支援をしていきたい。それによって、クルマの商品性や品質が更に向上し、クルマを購入されるお客様をもっと笑顔にできればと思っています。