学生論文コンテスト

学生論文コンテスト2022 優秀賞受賞者および論文要旨

2022

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受賞者

長岡技術科学大学 電気電子情報工学課程 細木 真歩さん 

論文タイトル

学生起業ベンチャーのビジネスモデルを用いた地域活性化
-情報格差と地域課題の持続的な解決に向けた世代間交流-

論文要旨

本論文は、地域が抱える課題をその地域で解決する仕組みを生み出すことを目的として、情報格差の解消に焦点を当て、新潟県長岡市の学生が起業した課題解決型ビジネスモデルを持つベンチャー企業の活動についてその内容と考察を述べるものである。

スマートフォンの所持率が世帯の8割を超え、コロナウイルス感染拡大によりオンライン化もデジタル化もこれまでに類を見ない速さで浸透する中、高齢者が抱える情報格差と社会からの孤立は深刻化している。世代間の行動様式の情報格差による乖離は後に価値観の分断へと繋がり、現状の課題がより進行するおそれがある。そこで、情報格差の解消と世代間の交流を目指し、学生講師が高齢者に対してスマホ教室を実施する事業を経営の一環とする株式会社を学生スタッフ中心に設立した。課題解決を経済活動と連動させることで、中長期的な財源および人材の確保が可能になり、持続的に課題に取り組むことができると考えたからである。

結果として、学生講師が高齢者向けスマホ教室を実施するビジネスモデルは持続可能であり、スマホ教室の実施を媒介して立場の違う住民同士の交流およびコミュニティが生まれ、ほか地域への応用・拡大の可能性が見られた。この活動によって、情報格差によって受けられる支援の差が生まれてしまうことを防止し(SDGsゴール3/10)、地域の課題は地域で解決する仕組みを確立できないか(SDGsゴール11)、実施後の状況に着目しながら検討する。